有意義なカオスのMITメディアラボ


今日は大学の研究室であるMITメディアラボを取り上げる。というのも、昨日ここの人たちと会ったから。そういや、10月にSan JoseのVirtual World Conferenceに行ったときにお話させて頂いた教授もここのラボの人だったなあ。確かヒューマンコミュニケーションの人。

昨日会ったのは、メディアラボのインターフェイスのとタンジブルのチームにいる2人で、彼らはモバイルのスタートアップ「Tsumobi」のファウンダー、ジョシュとアダム。Tsumobiは2007 SpringのY Combinatorの投資先でもある。ちょうどジョシュがYのTシャツ着てて脱いで見せてくれた。(笑)現在、モバイルの開発におけるプラットフォームを作っているみたい。言語も。このあたりの話は大倉くんが切り込んでいって、ガチな技術話をしていたので、英語云々の話ではなく、さっぱり理解できなかった。。。

さて、MITメディアラボは、他の所謂大学の研究室とちょっと違う。何が違うってとても斬新でアートな匂いがする。それとそれくっつけちゃうの?あたらしいことしちゃうの?っていう既存のアカデミックの枠から1歩離れて、大胆かつ斬新なことをしているイメージ。ただ、その根底にあるのは、「人間とコンピュータの協調をテーマ」。

メディアラボは、学んだり知識を得たりする最も優れた手段の1つとして、遊ぶことに注目してきたという。企業は性質上、利益をあげて、株主へ還元しないといけないが、大学の研究室という立場上、その研究が儲かるかどうかなど考える必要のない余裕がメディアラボにはある。遊びの感覚や有意義なカオスを追求する姿勢こそが、彼らの強みでる。

この「有意義なカオス」って言葉、すごく素敵。すごい格好いい。昨年、京大の学園祭(通称NF)で却下されたテーマ「超意欲的ニート」と同じくらい響いた!「超意欲的ニート」、叩かれまくってたけど、個人的には東大や慶應からは絶対に出てこない、すごい京大らしい言葉で好きだった。

で、話を戻して、この遊び心がメディアラボのコアになる。そして、だからこそ、100ドルPCミュージック・トイなど、他に見られない独自の動きが生まれるのだろうか。また、大事なのは、彼らの研究はしっかりと利益を出しており、MITにおける稼ぎ頭であるという点。後援企業は彼らの知的所有権を無料で使用可能で、商用にもしっかり生かされている。

メディアラボ、そして、タンジブルと言えば、石井裕さんを思い浮かべる人も多いと思う。そう、タンジブルビット。インプットとアウトプットが同時に起こる世界。そろばんみたいな。インターフェイスの革新。こういう世界に触れる度に拡張現実感(AR: Augmented Reality), 仮想現実感(VR: Virtual Reality), 複合現実感(MR: Mixed Reality)にも目がいく。今の形のPCはいつまで保っていられるのかなあ。

アダムにこの手の話をもっと聴きたかったなあと思う。また、ジョシュはTsumobiのほかに脳波でマーケティング・調査などを行うEmsenseにもコミットしている。EEGで人々がどのようにあ広告、テレビゲーム、政治演説に応じるかに関する市場調査データを集めるなどもしているみたい。

アカデミックとビジネスの融合をとても強く感じた1日だった。

あ、Y Combinatorと言えば、ポール・グレアム氏。ポールと言えば、「ハッカーと画家」が超有名ですが、Yの共同ファウンダーである、ジェシカ・リビングストン氏の「Founders at work」も非常にいいとお勧めされた。私は「100inc」を読んでるけど、1つ1つの話が短いので手軽でちょっとした待ち時間にも読みやすい。著者がアメリカ人じゃなくて、オーストラリア人てとこでの視点が意外と面白かったりする。